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【かんたん解説】就労継続支援B型とは?A型との違い・仕事内容・工賃(給料)がわかる

「一般企業で働くのは少し不安」「自分の体調やペースに合わせて働ける場所を探している」このように感じている方にとって、就労継続支援B型は心強い選択肢の一つです。就労継続支援B型は、障害や病気のある方が安心して働けるようにサポートする障害福祉サービスです。しかし、「A型や他のサービスと何が違うの?」「どんな仕事をするの?」「お給料はもらえるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな疑問に一つひとつお答えしていきます。就労継続支援B型の基本的な仕組みから、A型・就労移行支援との違い、具体的な仕事内容や工賃(給料)、利用するまでの流れまで、誰にでも分かるようにやさしく解説します。あなたらしい働き方を見つけるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

就労継続支援B型とは?

まずは、就労継続支援B型がどのようなサービスなのか、基本的なところから見ていきましょう。

自分のペースで安心して働ける障害福祉サービス

就労継続支援B型とは、障害や病気、体力の面などから、企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、働く機会や生産活動の場を提供する障害福祉サービスです。一番大きな特徴は、利用者と事業所が雇用契約を結ばないことです。これにより、勤務日数や時間などを体調に合わせて柔軟に調整でき、自分のペースで無理なく働くことができます。生産活動の対価として、「給料」ではなく「工賃」が支払われます。「社会とつながりを持ちたい」「働くことで生活リズムを整えたい」「いずれは一般就労を目指したいけれど、まずはリハビリから始めたい」といった、さまざまな目的を持った方が利用しています。

就労継続支援B型を利用する3つのメリット

就労継続支援B型には、利用者にとって多くのメリットがあります。ここでは主な3つのメリットをご紹介します。

体調やペースに合わせて働ける
週1日・1日数時間といった短時間の利用から始められる事業所が多く、通院などとの両立もしやすいのが魅力です。体調が不安定な時期は休み、回復したらまた通うといった柔軟な働き方が可能です。

 

就労に必要なスキルや知識が身につく
事業所では、軽作業からパソコンスキル、専門的な技術まで、さまざまな仕事を通じて働くためのスキルを学ぶことができます。仕事の進め方やコミュニケーションなど、社会で働く上で大切な経験を積むことができます。

 

安定した生活リズムと居場所ができる
定期的に通う場所があることで、生活リズムが整いやすくなります。また、同じような境遇の仲間や、親身に相談に乗ってくれるスタッフがいることで、安心できる「自分の居場所」となり、社会的な孤立を防ぐことにもつながります。

 

就労継続支援A型や就労移行支援との違い

障害のある方の就労を支援するサービスには、B型のほかに「就労継続支援A型」と「就労移行支援」があります。それぞれの違いを理解し、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。

就労継続支援A型との違い(雇用契約の有無)

A型とB型の最も大きな違いは、「雇用契約を結ぶかどうか」です。

A型
事業所と雇用契約を結びます。そのため、労働者として扱われ、原則として最低賃金以上の「給料」が保証されます。

 

B型
事業所と雇用契約を結びません。比較的簡単な作業から始められ、生産活動に対する対価として「工賃」が支払われます。

 

A型はより一般就労に近い働き方、B型はより本人のペースを尊重した働き方と言えるでしょう。

就労移行支援との違い(目的が「働くこと」か「就職訓練」か)

就労移行支援は、「一般企業への就職」を目的としたサービスです。

就労移行支援
就職に必要なスキルを身につけるための訓練が中心です。ビジネスマナーやPCスキル講座、企業実習などを行い、原則2年という利用期間の中で就職を目指します。

 

就労継続支援B型
働くこと」そのものが目的です。利用期間の定めがなく、自分のペースで長く働き続けることができます。

 

下の表にそれぞれの特徴をまとめました。

サービスの種類 目的 雇用契約 報酬 利用期間
就労継続支援B型 働く場の提供、生産活動 なし 工賃 定めなし
就労継続支援A型 雇用契約に基づく就労 あり 給料 定めなし
就労移行支援 一般企業への就職準備、訓練 なし 基本的になし 原則2年

就労継続支援B型の対象者と利用期間

どのような人がB型事業所を利用できるのでしょうか。対象者と利用期間について見ていきましょう。

利用の対象となる人

就労継続支援B型は、原則18歳以上の方で、具体的には以下のような方が対象となります。

  • 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業での就労が困難になった方
  • 50歳に達している方
  • 障害基礎年金1級を受給している方
  • 上記のいずれにも該当しない方で、就労移行支援事業者などによるアセスメント(評価)の結果、B型の利用が適当と判断された方

障害者手帳の有無は必須条件ではありません。医師の診断書や、定期的に通院していることの証明などがあれば、自治体の判断によって利用が認められる場合があります。

利用期間に定めはない

就労継続支援B型には、利用期間の定めがありません。利用者一人ひとりの状況に合わせて、数ヶ月の短期利用から、数年以上の長期利用まで、安心して働き続けることができます。自分のペースでじっくりと経験を積み、自信がついた段階でA型や一般就労へステップアップを目指す方もいます。

就労継続支援B型から一般就労へのステップアップ

B型事業所の利用を通じて、体調の安定や就労スキルの向上が見られた場合、一般企業への就職を目指すことも可能です。その際には、就労移行支援事業所の利用や、ハローワークの障害者専門窓口などのサポートを活用できます。B型事業所の中には、一般就労への移行を支援するプログラムを提供している場所もあります。自分のペースで段階的にステップアップしていくことが可能です。

仕事(作業)内容と工賃(給料)について

B型事業所での「仕事」と、その対価である「工賃」について、より具体的に解説します。

事業所によって様々 多様な仕事内容

B型事業所で行う仕事(生産活動)の内容は、事業所ごとに多種多様です。自分の興味や得意なことに合わせて事業所を選ぶことができます。

仕事内容の例

軽作業・手作業
部品の組み立て、シール貼り、袋詰め、検品など

 

食品関連
パンやお菓子の製造・販売、カフェの調理補助・接客など

 

農作業
野菜やハーブの栽培、収穫、梱包など

 

PC作業
データ入力、テープ起こし、簡単なWebサイト制作など

 

クリエイティブ系
アクセサリーや雑貨の制作、イラスト作成など

 

清掃・クリーニング
施設やマンションの清掃、リネン類の洗濯など

 

工賃(給料)の平均額と仕組み

B型事業所で働くともらえる「工賃」は、事業所が企業から請け負った仕事の収益や、自主製品の販売利益などを利用者に分配するものです。そのため、金額は事業所の運営方針や仕事内容、個人の作業時間によって変動します。厚生労働省の調査によると、令和4年度の平均工賃(月額)は17,031円でした。近年、国全体で工賃アップの取り組みが進められており、平均工賃は年々上昇傾向にあります。

工賃以外に受け取れる手当や年金

工賃はあくまで生産活動の対価であり、給与とは異なります。そのため、工賃だけでは生活が難しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、就労継続支援B型を利用しながら、障害年金や生活保護などの福祉手当を受給することも可能です。これらの制度を組み合わせることで、経済的な安定を図りながらB型事業所で働くことができます。利用できる制度については、お住まいの市区町村の窓口や相談支援事業所で相談してみましょう。

働き方は自由 通所日数や時間も相談可能

B型事業所の最大の魅力は、その働き方の自由度の高さです。

  • 「まずは週2日、午前中だけ」
  • 「体調が良い日は午後も作業する」
  • 「通院日は休む」

など、一人ひとりの希望や体調に応じて、通所日数や時間を柔軟に設定できます。

利用手続きの流れと利用料

実際にB型事業所を利用したいと思ったら、どのような手続きが必要で、費用はかかるのでしょうか。

利用開始までの3ステップ

利用開始までの大まかな流れは、以下の3つのステップになります。

  1. 事業所の見学・体験

    まずは、通えそうな範囲にあるB型事業所を探し、見学や体験をしてみましょう。インターネットで探したり、市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談したりして情報を集めます。事業所の雰囲気や仕事内容、スタッフとの相性などを実際に確かめることが、ミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。

  2. 市区町村の障害福祉窓口で申請

    利用したい事業所が決まったら、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口でサービスの利用申請を行います。申請の際には、どのようなサービスをどのくらい利用したいかをまとめた「サービス等利用計画(案)」の提出を求められます。これは相談支援事業所の相談員と一緒に作成することもできますので、窓口で相談してみましょう。

  3. 受給者証の交付と利用契約

    申請後、市区町村による利用の要否の判断が行われ、利用が決定すると「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。この受給者証を持って、利用したい事業所と正式に利用契約を結び、利用開始となります。申請から受給者証の交付までは、1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。

利用料はほとんどの場合無料

B型事業所の利用料は、本人と配偶者の前年の所得(世帯所得)に応じて、月ごとの負担上限額が定められています。しかし、利用者の約9割は無料で利用しています

区分 世帯の収入状況 自己負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市区町村民税が非課税の世帯 0円
一般1 市区町村民税が課税の世帯(所得割16万円未満) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

(出典:厚生労働省)

多くの方が利用料の負担なくサービスを利用できる仕組みになっています。

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就労継続支援B型について、基本的な知識から具体的な内容まで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。自分のペースで、安心して働けるB型事業所は、社会への一歩を踏み出すための大切な場所です。私たち就労継続支援B型事業所オリーブは、関西(大阪、兵庫、京都、奈良)で複数の事業所を運営し、一人ひとりの「働きたい」という気持ちを大切にサポートしています。

オリーブでは、PC作業や軽作業、クリエイティブな活動まで、あなたの興味や得意に合わせて様々な仕事をご用意しています。経験豊富なスタッフがすぐそばにいるので、分からないことや不安なことは何でも相談できます。まずは週1日から、短い時間からでも大歓迎です。

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