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【わかりやすくわかりやすく解説】地域活動支援センターとは?活動内容や利用料 就労継続支援との違いも

「日中に、安心して過ごせる居場所がほしい」「同じような悩みを抱える仲間と交流したい」「本格的に働くのはまだ難しいけれど、何か軽い活動から始めたい」──障害のある方が地域で生活する中で、こうした思いを抱えることは少なくありません。そんな時に、気軽に立ち寄れる身近な拠点となるのが「地域活動支援センター」です。

「ちいき」や「ちかつ」といった愛称で呼ばれることもありますが、具体的にどのような場所なのか、就労継続支援など他のサービスとどう違うのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、地域活動支援センターの目的や役割、具体的な活動内容、利用方法などを分かりやすく解説します。さらに、就労継続支援(A型・B型)との違いについても詳しく比較し、あなたに合ったサービスの選び方が分かるようにご案内します。あなたの「居場所づくり」の第一歩として、ぜひこの記事を参考にしてください。

地域活動支援センターとは?目的と役割を解説

地域活動支援センターは、障害のある方の地域生活を支える、非常に重要な役割を担っています。まずは、その基本的な目的と役割について見ていきましょう。

障害のある方の地域生活を支える身近な拠点

地域活動支援センターは、障害者総合支援法に定められた「地域生活支援事業」の一つです。その最大の目的は、障害のある方が、住み慣れた地域で、その人らしい自立した日常生活や社会生活を送れるようにサポートすることです。

具体的には、創作活動や生産活動の機会を提供したり、同じような悩みを持つ仲間や地域住民との交流の場を設けたりすることで、障害のある方の「日中の居場所」としての役割を果たします。家に閉じこもりがちだった方が、安心して外出し、社会とつながるための、最初のステップとなる場所と言えるでしょう。

地域活動支援センターの3つの類型

地域活動支援センターは、その機能や職員の配置によって、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型という3つの類型に分けられています。どの類型を設置するかは、各市町村の判断に委ねられています。

類型 主な特徴
Ⅰ型 精神保健福祉士などの専門職員が配置されており、医療機関や行政との連携のもと、専門的な相談支援も行います。地域の障害者支援の拠点としての役割も担う、最も機能が充実したタイプです。
Ⅱ型 専門職員の配置に加えて、地域住民ボランティアの育成や、障害に対する理解を深めるための広報活動など、地域との連携を重視した機能を持つタイプです。
Ⅲ型 比較的小規模な施設で、障害のある方のための身近な活動拠点としての役割を担います。ボランティアなどが運営の主体となることもあります。

お住まいの地域にどのタイプのセンターがあるかによって、受けられるサービスの内容が少しずつ異なります。

地域活動支援センターの具体的な活動内容

センターでは、すべての施設が担う「基礎的事業」を土台に、地域の実情に合わせて様々な活動が行われています。

すべてのセンターが担う「基礎的事業」

創作的活動・生産活動

利用者が興味や関心に合わせて参加できる、様々なプログラムが用意されています。これらの活動は、生活リズムを整えたり、集中力や持続力を養ったり、達成感を得たりすることを目的としています。

  • 創作的活動の例:絵画、陶芸、手芸、書道、音楽、園芸など
  • 生産活動の例:パンやお菓子の製造・販売、部品の組み立てなどの軽作業、カフェの運営補助など

※生産活動によって収益が生じた場合は、材料費などを除いた額が「工賃」として利用者に支払われることがありますが、その額は就労継続支援B型に比べて、ごく少額であることが一般的です。

地域住民との交流

障害のある方が社会的に孤立せず、地域の一員として豊かに暮らしていけるよう、地域住民との交流の機会を積極的に設けています。

    • センターのお祭りやバザー、作品展などを開催し、地域住民に参加を呼びかける
    • 地域のイベントや清掃活動などに、利用者と職員が一緒に参加する
    • 地域の小中学校と交流会を開く

 

自治体や事業所ごとの「機能強化事業」

基礎的事業に加え、地域の実情や利用者のニーズに合わせて、Ⅰ型などのセンターでは以下のような機能強化事業が行われることがあります。

    • 相談支援:日常生活での悩みや、利用できる福祉サービスについての相談に応じます。
    • 情報提供:地域の障害福祉に関する情報や、各種イベント情報などを提供します。
    • 入浴・食事サービス:一人暮らしの利用者などを対象に、入浴の機会や、栄養バランスの取れた食事を提供します。
    • 家族支援:障害のある方を支える家族からの相談に応じたり、家族同士が交流できる「家族会」を開催したりします。

 

地域活動支援センターの利用対象者と利用料

対象となるのはどんな人?

基本的には、その地域に住む障害のある方とその家族が対象となります。ここで言う「障害」には、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)、難病などが広く含まれます。障害者手帳を持っていない方でも、利用できる場合がほとんどです。

「日中に通う場所がほしい」「誰かと話したい」「何か活動を始めたい」と感じている障害のある方であれば、誰もが利用を検討できる、非常に開かれた場所です。

利用料は基本的に無料

地域活動支援センターの利用料は、原則として無料です。これは、利用のハードルを下げ、誰もが必要な時に気軽に利用できるようにするためです。ただし、創作活動で使う材料費や、昼食代、イベントへの参加費など、実費については自己負担となる場合があります。

利用のメリットと注意点

地域活動支援センターを利用するメリット

    • 気軽に利用できる:受給者証が不要で、利用料も原則無料なため、他の福祉サービスに比べて利用開始までのハードルが低いのが最大のメリットです。
    • 安心できる居場所ができる:自宅以外の場所に、安心して過ごせる「居場所」ができることで、生活にメリハリが生まれ、社会的な孤立感を和らげることができます。
    • 仲間との交流が生まれる:同じような悩みや経験を持つ仲間と出会い、交流することで、共感し合えたり、新たな気づきを得られたりします。
    • 生活リズムが整う:「決まった時間に外出する」という習慣がつくことで、乱れがちだった生活リズムを整えるきっかけになります。

 

利用する上での注意点

    • 工賃(収入)目的には向かない:生産活動があっても、その目的はあくまでリハビリテーションの一環です。安定した収入を得ることを目的とする場合は、就労継続支援事業所の方が適しています。
    • 専門的な職業訓練は行わない:活動内容は創作活動やレクリエーションが中心であり、一般就労を目指すための専門的なスキルアップや職業訓練は行っていません。
    • 人間関係の難しさ:多くの人が集まる場であるため、他の利用者との相性など、人間関係で悩む可能性もゼロではありません。見学の際に、自分に合いそうか雰囲気を確かめることが大切です。

 

地域活動支援センターの利用方法と手続きの流れ

利用開始までの基本的なステップ

    • センターを探す:まず、お住まいの市区町村の役場(障害福祉担当課など)のウェブサイトや窓口で、地域にあるセンターの情報を集めます。
    • 問い合わせ・見学:利用してみたいセンターが見つかったら、電話などで連絡し、見学の予約をします。実際に足を運び、施設の雰囲気や活動内容、他の利用者さんの様子などを自分の目で確かめることが大切です。
    • 登録手続き:利用したいという意思が固まったら、センターのスタッフと面談し、利用登録の手続きを行います。利用目的や、利用したい曜日・時間などを伝えます。
    • 利用開始:登録が完了すれば、利用を開始できます。最初は週に1回、短い時間から始めるなど、自分のペースで慣れていくことができます。

 

利用に受給者証は必要?

就労継続支援など、障害者総合支援法の「訓練等給付」に分類されるサービスを利用する際には、市区町村が発行する「障害福祉サービス受給者証」が必要です。

しかし、地域活動支援センターは「地域生活支援事業」に位置づけられているため、原則として受給者証は必要ありません。比較的簡単な手続きで、すぐに利用を始められるのが大きなメリットです。

地域活動支援センターと他の障害福祉サービスとの違い

就労継続支援(A型・B型)との違い

最も大きな違いは、その目的です。

地域活動支援センター 就労継続支援(A型・B型)
目的 地域での安定した生活、日中の居場所の提供、社会交流 「働く」こと、就労による自立、工賃(給料)の獲得
活動内容 創作活動、レクリエーション、地域交流が中心 就労に結びつく生産活動が中心
工賃(給料) 無いか、あってもごく少額(お小遣い程度) 生産活動の対価として、安定した工賃(A型は給料)が支払われる
利用手続き 原則、受給者証は不要 受給者証が必須

地域活動支援センターが「居場所」「交流」に重点を置いているのに対し、就労継続支援は「仕事」「工賃」に明確な主眼があると考えると分かりやすいでしょう。

就労移行支援事業所との違い

就労移行支援は、「一般企業への就職」を最終目標として、最長2年間、集中的に職業訓練や就職活動のサポートを受ける場所です。常に就職を意識したプログラムが組まれており、利用期間にも定めがあります。地域活動支援センターのような、長期的な「居場所」としての機能とは目的が異なります。

障害者就業・生活支援センターとの違い

「なかぽつ」などの愛称で呼ばれるこのセンターは、障害のある方の就職や生活に関する「相談」を行い、適切な機関へ「つなぐ」ための総合的な窓口です。地域活動支援センターのように、利用者が集まって活動を行う「場所」を提供するのではなく、相談業務を主としています。

自分のペースで活動できる場所をお探しならオリーブへご相談ください

地域活動支援センターは、安心して過ごせる居場所や、社会とつながるきっかけを提供してくれる素晴らしい場所です。一方で、「もう少し、働くことや将来の自立を意識した活動がしたい」「創作活動だけでなく、仕事に役立つスキルも身につけたい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そんな、「居場所」としての安心感と、「働く」ことへの手応えを両立したいあなたに、私たち「就労継続支援B型事業所オリーブ」は、最適な選択肢の一つでありたいと願っています。

オリーブは、大阪、兵庫、京都、奈良の関西エリアで、障害のある方の「働きたい」という気持ちを、その人らしいペースでサポートしています。地域活動支援センターのように、週1日・数時間からのスタートが可能で、自分の体調を最優先できます。しかし、B型事業所であるオリーブの活動の中心は、あくまで「仕事」です。

データ入力や軽作業といった具体的な業務を通じて、

  • 安定した工賃を得る喜び
  • 仕事のスキルを身につける手応え
  • 「誰かの役に立っている」という貢献感

を感じることができます。

「地域活動支援センターでは少し物足りない、でも一般就労はまだ早い」そう感じているなら、ぜひ一度、オリーブにご相談ください。あなたの「好き」や「得意」を活かせる仕事が、そして、あなたを待っている仲間がいます。

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