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過集中とは?ADHDとの関係や仕事で活かす方法・対策を解説

過集中とは?

好きなことや興味のある作業に一度かかると、時間を忘れて驚くほど没頭してしまう…。 周囲の声が聞こえなくなったり、食事や休憩を忘れてしまったりするほどの集中力。 もし、あなたにそんな経験があるなら、それは「過集中」という特性があるかもしれません。特に、発達障害の一つであるADHD(注意欠如多動症)の特性として現れることも多く、そのコントロールに悩む方は少ないです。

まず、「過集中」がどのような状態を指すのか、その基本的な特徴と、発達障害との関連性について見ていきましょう。

驚異的な集中力で一つのことに没頭する状態

過集中とは、その名の通り「退屈な集中状態」のことで、一つの事柄に対して、非常に高い集中力を発揮し、完全に没頭している状態を去ります。

  • 時間の感覚がなくなる:気づいたら数時間経っていた、ということが頻繁に起こります。
  • 周囲の刺激が遮断される:話しかけられてもいない、電話の音やチャイムが聞こえない。
  • 生理的欲求を忘れる:食事、水分補給、トイレ、睡眠などを忘れて頭し続ける。
  • 疲労を感じない:集中している間は疲れを感じず、限界を超えて活動してしまいます。
  • 切り替えが難しい:一度集中すると、中断したり、他の作業に移ったりすることが非常に困難になります。

この状態は、アスリートなどが最高のパフォーマンスを発揮する際の「ゾーン」や、心理学でいいう「フロー状態」と似ている側面もあります。

ADHDやASD(発達障害)の特性として現れることも

過集中は、ADHD(注意欠如多動症)のある人によく見られる特性の一つです。し込みとして、自分の興味・関心が強いことに対しては、逆に注意を過剰に注ぎ、周りが見えなくなる「過集中」に陥りやすいのです。これは、脳内神経伝達物質「ドーパミン」の働きが関係していると考えられています。ASD(自閉スペクトラム症)のある人にも、その「限定された興味」という特性から、特定の分野に驚くほど没頭する過集中が見られることがございます。

過集中のメリットと野球

過集中は、うまくいくかいつか仕事で大きな武器になりますが、コントロールを誤って精神を壊しかねない危険性もあります。ここでは、その光と影の両面を具体的に見ていきましょう。

強み(メリット):高い生産性と質の高い成果

過集中がポジティブに作用した場合、他の人には真似できないような、素晴らしい成果を生み出すことが起こります。

過集中の強み(メリット) 具体的な内容
驚異的な生産性 通常であれば数日かかるような作業を、半日や1日で終わってしまうなど、短時間で大量のタスクを達成できます。
質の高いアウトプット 一つの課題を深く、多角的に掘り下げて考えるため、分析の精度や創造性が考慮され、質の高い成果物を生み出すことができます。
圧倒的な知識・スキル習得 興味のある分野に対して、寝食を忘れて情報を収集したり、技術を磨くために、驚異的なスピードで専門家レベルの知識やスキルを習得できます。
高い満足感と達成感 フロー状態に入ることで、作業中に没頭する喜びや、何かを果たしたという強い達成感を得ることができ、自己肯定感にもつながります。

これらの強みは、プログラマー、研究者、デザイナー、ライター、職人など、高い専門性や優位性が求められる仕事で特に活かされやすいと言えます。

悩み(対処):心身の疲労や日常生活への悩み

時々、過集中がコントロールできない状態になると、心身や生活に様々な困難をきたします。

過集中の悩み(野球) 具体的な内容
極度の精神の消耗 食事や水分補給を忘れることで、脱水症状や栄養失調にあったり、休憩を取らずに作業を続けることで、心身が限界まで疲労してしまいます。
燃え尽き症候群(バーンアウト) 過集中と消耗を繰り返すうちに、心身のエネルギーが枯渇し、無気力で何も手につかない「燃え尽き症候群」に取り組むリスクがございます。
日常生活の決着 目の前の作業に頭をかけるあまり、他の重要でない仕事(公共料金の支払いや部屋の片付けなど)や、家族との約束などを完全に忘れてしまうことがあります。
周囲とのコミュニケーション不全 言われても一切反応しないため、周囲からは「無視された」「人の話は聞かない」と喜ばれ、人間関係が悪化する原因になることがある。
切り替えの遅れによる一時迷 一つの作業にこだわりすぎて、他の重要な仕事への切り替えが遅れたり、全体のスケジュールに遅延を発生させたりすることがございます。

このように、過集中は放置すると、仕事のパフォーマンスを低下させるだけでなく、健康や人間関係まで損なう危険性があるため、意識的な対策があらかじめ決まっています。

仕事でできる過集中の対策

過集中の戦略をできるだけ抑え、強みとして活かすためには、自分の意思によってのみ頼るのではなく、具体的な「仕組み」や「工夫」を取り入れることが非常に重要です。

対策1:アラームやタイマーで時間を「見える化」する

過集中に取り組むと時間の感覚がなくなるため、外部からの強制的な合図で時間を意識することが最も効果的な対策の一つです。

ポモドーロ・テクニックを挑戦する
「25分集中して作業→5分休憩」というサイクルを繰り返す時間管理術です。

 

アラームを複数セットする
スマートフォンのアラームなどを活用し、「作業終了時刻」「休憩開始時刻」などをセットしてみましょう。数分に複数セットするのがおすすめです。

 

ウェアラブルデバイスを活用する
スマートウォッチなどの振動(バイブレーション)機能を使えば、音を静かな職場でも、自分独自の形で時間を知らせてくれます。

 

対策2:周囲に協力を求め、合図をもらう

一人での対策が難しい場合は、周囲の人の力を借りることも有効です。

伝え方の例

「私は集中しすぎると、時間を忘れてしまう傾向があります。大変恐縮なのですが、よろしければ、お昼休憩の時間や、退勤時間の15分前になったら、一声かけていただけないでしょうか?」

「集中していると声が聞こえないことがありますので、その時は有効ですが、肩を軽く叩くなど合図していただけると、とても思います。」

このように、自分の特性と、具体的にどうしたいかを伝えることがポイントです。

対策3:こまめな水分補給や栄養補給を「仕組み化」する

過集中状態では、脳が大量のエネルギーを消費しています。意識的に対策を講じる必要があります。

デスクに水分を常備する
すぐに手が届く場所に、大きめの水筒やペットボトルの水を置いておきましょう。

 

「休憩セット」をご用意しております
休憩時間に食べるための軽食(ナッツ、栄養補助食品など)を、あらかじめ少し分けてデスクの引き出しに入れておくと、手軽に栄養補給ができます。

 

休憩のルールを決める
「アラームが鳴る、あったら必ず席を立ってトイレに行く、水を一杯飲む」「お昼休憩は、必ず自席以外でる」など、休憩時間の行動を事前にルールを決めておくと、作業を中断しやすくなります。

 

過集中を活かすための仕事選びと相談先

過集中の特性を理解した上で、それを強みとして活かせる仕事や働き方を選ぶことも重要です。

過集中が活きる仕事環境のポイント

  • 裁量権が大きい:自分のペースで仕事の進め方を決められる環境。
  • 成果主義:労働時間よりも、成果の質や量が評価される環境。
  • 専門性を深く掘り出せる:一つの分野に特化し、専門知識やスキルを追求できる環境。
  • マルチタスクが少ない:複数のタスクを同時に達成できるよりも、1つのタスクに集中できる環境。

過集中に関する相談先・支援機関

一人で悩まず、専門機関に相談することで、客観的なアドバイスやサポートを得ることができます。

発達障害者支援センター
発達障害に関する専門的な相談支援機関です。日常生活の悩みから就労に関することまで、本人や家族からの相談に応じ、必要な情報の提供や、医療・福祉・労働などの関係機関への紹介を行います。

 

障害者覚悟・生活支援センター
「なかぽつ」とも呼ばれ、就職に関する相談から職場定着、金銭管理や健康管理といった生活面まで、一体的な支援を提供しています。

 

就労移行支援事業所
一般企業への就職を目指す障害のある方、原則2年間利用できる福祉サービスです。自己分析や職業訓練を徹底的に、自分に合った仕事探しをサポートしてくれます。

 

過集中を強みに変える働き方なら就労継続支援B型事業所オリーブへ

過集中は、コントロールさえできれば、あなたのキャリアを拓く最強の武器になります。 ただし、自分一人でその術コントロールを身につけたり、職場の理解を得たりするのは、簡単なことはないかもしれません。

そんなジレンマを抱えているなら、就労継続支援B型事業所オリーブで、あなたの「過集中」という特性と上手に向き合いながら、働く練習を始めてみませんか。 オリーブは、障害や心身の不調をもっともっと、安心して自分のペースで働ける場所です。

あなたの特性を「強み」として捉えます
私たちは、過集中を問題としてではなく、素晴らしい個性・才能として捉えます。 あなたが好きなこと、長く没頭できる作業を提供し、その能力が最大限に発揮できるようサポートします。

 

時間管理を一緒に練習します
「〇時になったから、一度休憩しましょう」など、スタッフが優しく声をかけることで、時間を意識し、あなたに正しく休憩習慣を身につけるお手伝いをします。

 

安心して働ける環境があります
考えてもいなかったり、作業の切り替えが苦手だったりしても、誰もそれを受け入れません。 あなたの特性をスタッフ全員が理解しているため、安心して作業に集中できます。

 

心のバランスを整えるサポート
集中しすぎて疲労しないよう、あなたの様子を見ながら、こまめな休憩や水分補給を心がけます。仕事と休息のバランスの取り方を、実践的に学ぶことができます。

 

就労継続支援B型事業所オリーブは、あなたが過集中の「悩み」を乗りこなし、「強み」を発揮できるようになるための、最適なトレーニングの場です。 まずは見学から、あなたの可能性を試してみませんか。

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